太陽光パネル税にメリットはあるのか?

2022/07/01

昨年12月に岡山県美作市で、事業用の太陽光発電パネルに課税する条例が制定されました。先日、総務省がこの新税を見直すようにありましたので導入の可能性は低いかと思いますが、今回は太陽光パネル税を導入することで、どのようなメリットがあるのか、対してどのようなリスクがあるのかご紹介いたします。

太陽光パネル税のメリット

太陽光パネル税のメリットとして考えられるのは、災害リスクの多い土地への設備設置

を抑制することができる点になるかと思います。ですので、太陽光発電設備の周辺に住んでいる住民からすると大きなメリットであると捉えられるかもしれません。

○太陽光パネル税のデメリット

特定の発電事業者に大きな負担が係る

太陽光パネル税は、出力10kW以上の事業用太陽光発電を運用している事業者や個人が対象になるため、固定資産税や消費税等に加えて太陽光パネル税を支払うことになり、かなり負担にかかってしまう税金になります。この太陽光パネル税の使用用途は、防災対策や自然環境対策など、太陽光発電と関連性の少ないところにまで及んでおりますので、特定の負担者にとっては疑問点の多い政策であることはどうしても引っかかってしまいます。

再生可能エネルギーの普及をストップさせる要因となる

現在日本ではカーボンニュートラルやSDGsのような再生可能エネルギーの推進を広げておりますが、太陽光パネル税がもし導入されるとこの推進政策と矛盾してしまいます。もし、総務大臣が太陽光パネル税に同意した場合、今後全国的に自治体で類似の法定外目的税を提案する可能性が出てきます。そうなってしまうと税負担の増加や税の公平性を保つことが難しくなり、再生可能エネルギーの普及をストップさせてしまう要因になってしまう可能性がございます。

二重課税の可能性が出てくる

現在、太陽光発電の場合太陽光パネル等の設備や土地に固定資産税が発生しております。もし、太陽光パネル税が導入されたとなると、固定資産税と太陽光パネル税とで二重課税が発生してしまうのではという疑問点が出てきてしまいます。美作市の説明では、太陽光パネル税は売電行為に対する税金という解釈のようですが、これがもし可決されると税負担は莫大なものとなってしまう可能性がございます。

以上、太陽光パネル税のメリットとデメリットをご紹介いたしましたが、分かる通り太陽光パネル税はどうしてもデメリットが目立ってしまいます。

カーボンニュートラル投資促進税制を受ける上での注意点

2022/06/06

日本では令和3年の税制改正により、「カーボンニュートラル投資促進税制」が設けられました。

カーボンニュートラル投資促進税制

カーボンニュートラル投資促進税制は、脱炭素化につながる設備の導入を検討している企業を対象にした、税の優遇制度になります。

内容としては以下の通りです。

特別償却:投資額の50%を特別償却

税額控除:5%の税額控除(温室効果ガスの削減に貢献できる設備であれば10%の税額控除)

実施時期は2024年3月31日までの予定で、該当する企業は設備に係る負担を削減することができます。

このカーボンニュートラル投資促進税制ですが、もちろん税制優遇を受ける上での注意点もございます。

カーボンニュートラル投資促進税制の注意点

適用制限がある

上記にもございますが、カーボンニュートラル投資促進税制には他の優遇措置と同様、適用制限がございます。具体的に挙げると、2024年3月31日までに事業適応計画の認定を受け、なおかつ税制優遇措置の対象設備を導入、さらに必要書類を提出および認定を受ける必要があります。必要な工程が多いので、早めに事業適用計画の認定と設備の導入を進めるようにしておきましょう。

税制優遇措置の適用条件が複雑である

カーボンニュートラル投資促進税制の適用条件には複雑な内容も含まれており、わかりにくい部分もございます。初めに申請を行うには、産業競争力強化法の事業適応計画という計画の策定と認定を受ける必要があります。さらに、カーボンニュートラル投資促進税制の適用要件、生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入は、単に設備を導入すればいいということではありません。設備の導入後は、炭素生産性1%向上を達成し、根拠となる資料の提出を行います。他にも、炭素生産性のチェック、計算、資料の整理、提出まで作業を定期的におこなっていく必要がございます。

カーボンニュートラル投資促進税制の優遇措置とは

2022/06/05

日本では令和3年度の税制改正によって、カーボンニュートラル投資促進税制が設けられました。

このカーボンニュートラルの投資促進税制の認定は指定の要件を満たした設備を導入した場合に限り適用されるルールとなります。

以下、指定の要件です。

1.大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備導入

燃料電池など、エネルギーの利用によって環境負荷の低減効果が期待できる製品の生産に用いる機械設備の導入

2.生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入

事業所などの二酸化炭素排出量削減を見込める設備の導入(太陽光発電など)


上記のいずれか1種類の要件を満たした場合、カーボンニュートラル投資促進税制の優遇措置を受けることが可能です。

それでは、どのような優遇措置があるのかご紹介いたします。

大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備導入による優遇措置

大きな脱炭素化効果をもつ製品の生産設備導入の要件を満たした場合に受けられる優遇措置は、以下の通りです。

税額控除10%脱炭素化の効果が見込まれる製品の生産設備に充てた投資額に対する優遇措置で、法人税の20%相当を上限として定められています。
特別償却50%税額控除10%の要件と同じ生産設備の投資額に対する優遇措置になります。

生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入による優遇措置

太陽光発電の導入など脱炭素化や付加価値向上につながる設備に投資した場合は投資額に対して特別償却50%か税額控除5%、10%の措置を受けることができる仕組みです。優遇措置を受けたい場合は、設備投資の他1年以内に炭素生産性を1%以上向上させる必要があり、さらに炭素生産性を3年以内に7%もしくは10%向上させる計画を作成し、計画通りの効果を得ることが必要になります。

カーボンニュートラル投資促進税制について

2022/06/04

今、日本で推進されている「カーボンニュートラル」についてはご存じでしょうか?

カーボンニュートラルは、脱炭素化に関する取り組みを示す用語となっており、経済産業省では、カーボンニュートラルの促進につながる税制を設けました。あまり、目立っている印象はないので知らなかったという方も多いのではないでしょうか。

今回はカーボンニュートラルに関する税制はどのようなものがあるのかご紹介いたします。

カーボンニュートラル投資促進税制について

令和3年度の税制改正によって、カーボンニュートラル投資促進税制が創設されました。

国では2050年までにカーボンニュートラル達成を目標として掲げており、脱炭素化に貢献できなおかつ国の目標達成につながる設備を導入した場合は、特別償却50%もしくは税額控除のいずれか優遇措置を選択できる仕組みとなっております。

内容:

特別償却投資額の50%を特別償却
税額控除5%の税額控除
温室効果ガスの削減に貢献できる設備であれば税額控除10%

カーボンニュートラル投資促進税制の特徴

対象について

カーボンニュートラル投資促進税制の対象者は、青色しんこくを行っている法人の中で、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者として認められている法人のみになります。

認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者とは、産業競争力強化法に沿って中長期環境適応計画の申請を行い、認定を受けた事業者のことを指しています。

もし、カーボンニュートラル投資促進税制の優遇措置を受けたい場合は、経済産業省のホームページから事業適応計画に関する資料と申請書をダウンロードしていただき、申請の手続きと認定を受けておく必要がございます。

このカーボンニュートラル投資促進税制は2024年3月31日まで実施されている予定です。


太陽光パネル税と二重課税の問題について

2022/06/03

岡山県美作市にて、昨年12月に事業用の太陽光発電パネルに課税する条例が制定され、今後は総務省の同意を得て2023年度に全国初の導入を目指しているようです。

ですが、この太陽光パネル税について、否定的な見方が多く見受けられます。その要因の1つとしてあげられるのが「二重課税」です。

現在の太陽光発電関連の税金はどのようなものがあるでしょうか。

現行の法律で定められている太陽光発電の主な税金

所得税

太陽光発電の売電で収入を得た場合は、所得税を納める必要がございます。所得税は、所得の種類によって10区分に分かれており、住宅用太陽光発電など、事業目的以外の太陽光発電で売電収入を得た場合は、雑所得に基本的には区分されます。一方で法人または個人が産業用太陽光発電で売電をする場合は、事業所得として区分されます。

所得税の計算は基本的に売電収入から経費を引いたものに所定の税率をかける仕組みになります。

固定資産税

事業用太陽光発電を所有している場合は、固定資産税も発生いたします。固定資産税の課税額は課税評価額に1.4%をかけた金額で求めることができます。課税評価額は太陽光発電設備や、土地に減価率をかけて求めていきます。

消費税

太陽光パネルやパワーコンディショナ、配線などの設備や関連機器類の購入時には消費税を負担することになります。消費税は個人及び法人に限らず支払うことになる税金で、太陽光発電の設置運用において、設備購入費と設置工事費用の支払いの際に発生してきます。

このように、現行の制度でも太陽光発電所に係る税金は上記のようにあるという状況です。

ここで、太陽光パネルに係る税金のため、固定資産税、所得税など二重課税になる可能性は十分にございます。美作市の説明によると、太陽光パネル税は売電行為に対する税金という解釈だそうですが、疑問点は残るところです。

さいごに

もし、太陽光パネル税が導入された場合、上記のような税金と二重課税になりますので、再エネ事業から撤退する事業者は続出すると考えられます。このような動きは現在のカーボンニュートラルやSDGsのような再エネ推進とは離れた施策になりますので、今後このようなことについて総務省がどのような対応をするのか注意して見ておく必要がありそうです。

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